自由診療
ナチュラルホルモン補充療法
心身の不調、それはホルモン不足によるものかもしれません
ホルモンとは、身体の健康を保つために、いろいろな機能を調節する物質で、体内で作られます。
身体は必要なホルモンを必要なだけ作るのですが、中年期以降減ってくるものがあります。また、加齢でなくとも、作られる量が変化するホルモンが多くあります。

ホルモンが減ってくると、身体が健康を保つために必要な量を生産できなくなり、いろいろな症状が出てきます。しんどい、体力が落ちた、ホットフラッシュ、性欲が落ちた・・・・などなど。
これらの症状を改善するために、ホルモン補充療法があります。
当院では、「ナチュラルホルモン補充療法」による診察・治療を行っています。
血液検査によってホルモンの状態を知り、適切なホルモンを十分に補充することで、症状の改善だけでなく、全身状態やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)そのものの改善を目指すことができます。
ナチュラルホルモンとは
ナチュラルホルモンとは、人間が作っているものと全く同じ構造をもつホルモンのことです(バイオアイデンティカルホルモンとも呼ばれます)。
通常、ホルモン補充療法に使われる薬は、人間が作っているホルモンと同じような効果が出るように合成された物質です。人間本来のホルモンとは構造は異なります。合成ホルモンの補充療法は、血栓や発ガンなどの副作用が出る可能性があります。ホルモン療法が恐ろしいと誤解されている理由です。
ナチュラルホルモンは、人間の作るホルモンと同じ構造のホルモンを補充します。合成ホルモンによる副作用を起こすことがなく、安全に補充できます。
ナチュラルホルモンは日本で作られていないため、アメリカなどから輸入しています。
ホルモンプログラム医療ディレクター就任のお知らせ
2025年2月より、当院副院長は、
米国におけるナチュラルホルモン補充療法の第一人者である
Dr. Neal Rouzier(ニール・ルージェ医師)より正式な信任を受け、
日本における教育および臨床支援を担う
株式会社MRiホルモンプログラムの医療ディレクターとして活動しています。
副院長は、Dr. Rouzier のもとで
ナチュラルホルモン補充療法トレーニング全課程(Part I〜IV)を修了し、
長年にわたり、日常診療と医師向け教育の両面から
エビデンスに基づくホルモン医療に携わってきました。
近年は、日本国内の医師向け講習会において講師としても活動しています。
今回の医療ディレクター就任は、
Dr. Rouzier との長年にわたる診療および教育での信頼関係を背景に、
日本におけるナチュラルホルモン補充療法の
適切な理解と実践を担う立場として、
正式に信任されたものです。
当院では、
この国際的な教育背景と臨床経験を基盤に、
安全性と科学的根拠を重視しながら、
日本の医療環境や患者さん一人ひとりに合わせた
ホルモン治療および包括的な医療を提供してまいります。
ニール・ルージェ医師
1990年代初頭よりナチュラルホルモン補充療法の専門医として活動し、
この分野を牽引してきたパイオニアの一人です。
男女の加齢医学および予防医学を専門としています。
ナチュラルホルモン補充療法分野における
著名な専門家であり、国際的なリーダーとして広く認められており、
医師教育と臨床の両面で長年にわたり貢献してきました。
教育者および開業医として16年以上の実績を持ち、
カリフォルニア州ウエストコビナにある
Queen of the Valley Hospital では、
約29年間にわたり救急医療に従事した豊富な臨床経験を有しています。
現在は、ナチュラルホルモン補充療法および予防医学に関する
米国でも特に評価の高い医師向け教育コースを担当し、
世界各国の医師の診療に大きな影響を与え続けています。
治療の流れ 〜血液検査で現在のホルモンの状況を把握します
ナチュラルホルモン補充療法を熟知した医師が、血液検査データでホルモンの状態を把握し、「あなたに不足しているホルモン」を見つけ出します。
不足しているホルモンを、必要な量、補充することで、症状改善を目指します。
【ご予約】
お電話にてご予約下さい。クリニックから、問診票やチェックシートをお送りしますので、ご記入の上ご返送下さい。
こちらで内容を確認の上ご連絡し、日時のご予約をいたします。
【初診】問診・血液検査
健康診断での一般的な採血検査とは異なり、多種類のホルモン検査を含む採血を行います。
ご返送いただいた問診票やチェックシートに基づいて、お悩みの症状について、詳しくお聞かせください。
【約2週間後】結果のご説明・治療方針の決定
血液検査の結果を詳細に検討し、必要なホルモンの種類と量を決めます。日本では処方できないので、アメリカなどに注文を行い輸入します。現在は、入荷に約3週間ほどかかっています。
【摂取開始して1〜3ヶ月後】再検査
ホルモンを摂取し始めて1〜3ヶ月後に血液検査を行い、ホルモンが十分に足りているかどうか再評価します。
【それ以降】
それ以降は、半年後、1年後などに再評価し、最適な量でホルモン補充療法を続けていただくようにします。
次のような方にナチュラルホルモン補充療法をお勧めします
この治療は、自由診療となります。次のような方にお勧めします。
1.40代後半以降の女性(更年期女性と閉経後女性)
閉経前後の10年間を更年期と言います。
女性は更年期に、エストロゲン、プロゲステロン、そしてテストステロンが低下します。
ホルモンの低下とともに、次のようなリスクと症状が増えます。
ホルモンの低下とともに、次のようなリスクと症状が増えます。
- 心臓病
- 脳梗塞
- 認知症
- 記憶障害
- 骨粗鬆症
- 尿生殖器の萎縮
- 慢性的な尿路感染症
- 膣の乾燥
- 性欲の減退
- 倦怠感
- 脂肪が付きやすい
- 筋肉が痩せてくる
- 皮膚の変化
- 気分の浮き沈み
- うつ
- ホットフラッシュ
- 寝汗
- 睡眠障害
必要なナチュラルホルモンを補充することで、上記の症状や疾患を改善もしくは予防することができます。
合成のエストロゲンとプロゲステロンは、血栓、心臓発作、脳梗塞、乳がんのリスクを上げますが、ナチュラルホルモンは、これらのリスクを上げません。
更年期そして閉経後の女性は、甲状腺ホルモン、DHEAも低下していることが多くあります。
甲状腺ホルモンやDHEAを足すことで、エネルギーを感じ、倦怠感が改善し、脂肪代謝が改善し、記憶や認知が改善します。
これまでの研究で明らかになっていることから、さまざまな病気の予防のために、閉経して10年以内にナチュラルホルモン補充療法を始めることを強くお勧めします。
2.40代後半以降の男性(男性更年期)
男性も、女性と同じように年齢とともにホルモンが下がってきます。
男性は女性の様に月経がストップする閉経があるわけではありませんので、更年期という定義はできませんが色々な症状を感じます。
年齢が上がるとホルモンの生産量は少なくなってくるので、その年齢での『正常範囲』は下がっていきます。血液検査でホルモンが『正常範囲』内であったとしても、ナチュラルホルモン補充療法では、ホルモンの『理想値』までナチュラルホルモンを補充して効果を感じる様にします。
男性が年齢を重ねるにしたがって感じる症状は以下の様なものがあります。
- 倦怠感
- 脂肪が付きやすくなる
- 太りやすい
- 筋肉が少なくなる
- 性的機能不全;
勃起が弱くなる、勃起時間が短くなる、制欲の低下など - コレステロール上昇、血糖値の上昇
- 内臓脂肪増加
これらは、ナチュラルホルモンのテストステロンの補充で改善することができます。
また、男性はDHEAや甲状腺ホルモンも低下してきますので、それらを加えることで、代謝を改善して、内臓脂肪や皮下脂肪を減らし、血糖値やコレステロール値を改善します。
男性はテストステロン、DHEA、甲状腺ホルモンを補充することで、健康を実感し、性的な活動を取り戻し、心臓疾患を予防することができます。
3.月経前症候群(PMS)の女性
月経が始まっておよそ2週間で排卵があり、排卵後2週間で次の月経が始まります。
月経前症候群は、排卵後、次の月経までに様々な症状を引き起こします。
- 頭痛
- お腹の張り
- 太りやすい
- むくみ
- お腹のけいれん
- 情動不安
- うつ
- 等々
月経周期によってホルモンの量は変化します。
上の図のように月経前1週間ぐらいでプロゲステロンが低下してきています。
これがPMSの原因です。そのためナチュラルホルモンのプロゲステロンを補充することで治療します。
ベース量となるプロゲステロンを毎日摂取し、月経前のおよそ1週間は、日中、何回かに分けて吸収の早いプロゲステロンを追加します。
するとPMSの症状は非常に良くなります。
※産後うつも、プロゲステロンの急激な減少が原因の一つです。
これに対しても、ナチュラルホルモンのプロゲステロンを積極的に補充することで対応します。
4.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性
更年期前の女性にも、ホルモンが必要な場合があります。
その一つが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。
更年期前の女性の10〜20%に、このPCOSと呼ばれるホルモン分泌障害があります。
PCOSは卵巣が病気の原因ではありませんが、多嚢胞性卵巣症候群という名前のために卵巣の病気だと誤解されています。
PCOSの女性の約50%に卵巣の嚢胞があるのでこの名前がついていますが、その他の方は卵巣に嚢胞はありません。(また、卵巣に嚢胞がある女性が全てPCOSというわけでもありません。)
PCOSはインスリン抵抗性が原因です。
インスリン抵抗性は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなっている状態です。糖尿病、心臓病、がんのリスクを上げます。
インスリン抵抗性は、下垂体のホルモンであるFSH、LHを変化させ、それが卵巣の嚢胞や月経不順を引き起こします。遊離テストステロンを増やし、ニキビや顔面の多毛などを引き起こします。
インスリン抵抗性を治療することが、PCOSの症状のコントロールに繋がります。
PCOSの症状には、以下のようなものがあります。
- 月経不順
- 月経困難
- 無排卵
- 妊娠しづらい
- 太りやすく、痩せにくい
- ニキビ
- 多毛
- 砂糖への強い欲求
- 辛いPMS(月経前症候群)
- 卵巣の嚢胞
(痛みを伴うもの、無症状のもの)
PCOSの女性全てが上記の症状を示すわけではありません。
PCOSの女性の多くが肥満ですが、太っていない方もいます。
典型的なPCOSの症状を示す女性以外、例えば、卵巣に嚢胞がなく、標準体重のPCOSの女性達の診断は見逃しやすくなり、90%が見過ごされていると言われています。
PCOSが診断と治療がされないままだと、心臓病、糖尿病、乳がんに罹りやすくなります。
早期の診断と、積極的な治療が必要な理由はここにあります。
PCOSの治療について
PCOSではプロゲステロンが低下しているので、ナチュラルホルモンのプロゲステロンを投与します。そうすることで、エストロゲン過多で起こってくる様々な疾患を予防し、症状を改善します。
例えば、プロゲステロンの低下により、PCOSの女性は、そうでない女性に比べて乳がんのリスクがおよそ4〜5倍になっています。また、排卵障害、子宮がんのリスクが増えます。
PCOSの女性にプロゲステロンを投与すると、排卵障害の改善や妊娠の維持を助けることができます。
PCOSの女性は、ほとんどの方で甲状腺ホルモンも必要です。
PCOSの治療では、毛包へのアンドロゲンの過剰な反応も改善します。
まとめると、PCOSの治療は以下の4つで成り立っています。
- インスリン抵抗性の治療
- ナチュラルホルモンのプロゲステロンの投与
- ナチュラルホルモンの甲状腺ホルモンを投与
- ニキビや多毛の治療
繰り返しますが、PCOSは早期の診断と治療が非常に重要です。
見逃されていることが非常に多い疾患ですが、早期に対応することで、将来の疾患の予防をすることができます。
料金
| 診察および検査費用 | 初回 | 28,000円〜 |
|---|---|---|
| 2回目以降 | 24,000円〜 | |
| 栄養解析を追加する場合 | +4,000円 | |
| 検査結果説明 | 5,500円 | |
※金額は税込表示になります。
必要に応じて他の検査を追加する場合があります。
ナチュラルホルモンを摂取する量は、検査結果によって変わります。
処方内容によって変わりますが、およそ月に10,000円〜40,000円かかることが多いです。
